パッチ管理
英語表記:Patch Management
パッチ管理とは、ソフトウェアの不具合やセキュリティ上の問題を修正するための更新プログラム「パッチ」を、適切なタイミングで適用・管理していくことです。
パッチという言葉は、「あて布」のような意味からきています。プログラムに不具合が見つかったとき、その部分に修正を加えて穴をふさぐ。それがパッチです。特にセキュリティの観点では、悪用されるおそれのある脆弱性をふさぎ、システムの安全性を確保する役割を果たします。
アプリケーションやOSは、時間の経過とともに脆弱性が発見されることがあります。放っておくと、そのすき間を攻撃者に狙われるかもしれません。だからこそ、パッチは「出たらすぐに当てる」が基本です。
とはいえ、すべてのパッチを何も考えずに即適用してよいわけではありません。中には、適用することで別の不具合が起きたり、既存のシステムとの相性に影響が出たりするケースもあります。そのため多くの場合、企業ではパッチの適用前に検証を行い、問題がないことを確認したうえで運用環境に反映します。
パッチ管理は、情報システム部門だけでなく、現場の担当者や外部のベンダーとも連携が必要になります。どのソフトウェアにどんなパッチが必要か、いつまでに対応するか、記録を残して管理することで、安全性と安定性を両立させることができます。
OSや主要なアプリケーションのパッチだけでなく、業務システムやミドルウェアなど、さまざまなソフトウェアがパッチ適用の対象になります。数が多くなると手作業では対応しきれないため、専用のパッチ管理ツールを導入するケースも増えています。
日々のパッチ管理は地道で着実な取り組みですが、攻撃を未然に防ぐために重要な、セキュリティ対策の基本です。
用語解説の監修:増井 敏克