読み方:エーピーアイ
正式名称:Application Programming Interface
APIとは、簡単にいえば、異なるソフトウェア同士をつなげて、機能や情報をやり取りするための「窓口」のようなものです。
例えば、ある天気予報アプリが気象庁のデータを取得する際、その裏側ではAPIを通じて情報のやり取りが行われています。ユーザーは画面を見るだけで天気を確認できますが、その裏では天気予報アプリが自動的にAPIを呼び出して、気象庁の最新の天気データを受け取っているのです。
APIには「提供する側(サーバー)」と「利用する側(クライアント)」があります。利用する側は、決められた書き方に沿ってサーバーにリクエストを送り、結果として必要なデータや機能を受け取ります。この「決められた書き方」のことをAPIの「仕様」と呼び、その内容をまとめたものを「ドキュメント」と呼ぶこともありますね。
最近では、企業が自社のサービスを外部に公開する際、APIというかたちで機能の一部を開放するケースが増えています。これにより、他のアプリケーションやシステムと連携しやすくなり、新しい価値を生み出す土台にもなるのです。
このように便利な一方で、APIにはセキュリティ面の注意が必要です。APIが適切に管理されていないと、第三者によってシステムに不正にアクセスされ、情報を盗まれたり、操作されたりするおそれがあります。そのため、APIを公開する場合は、アクセス制限や認証機能、通信の暗号化などを組み合わせた対策が欠かせません。
APIはうまく使えば業務効率が上がり、サービスの拡張性も高まりますが、使い方を誤ると「思わぬ穴」ができてしまうこともある。だからこそ、便利さと安全性をバランスよく保つ視点が重要ですね。
用語解説の監修:増井 敏克