英語表記:Third Party Script
サードパーティースクリプトとは、Webサイトの運営者、つまり“自分たち”以外の第三者が提供するスクリプトのことです。アクセス解析ツールや広告配信サービス、SNSの「いいね」ボタンなどに使われています。
これらのスクリプトは、Webサイトの運営元のサーバーではなく、外部のサーバーから読み込まれます。そのため、Webページに表示されるコンテンツの一部であっても、実際の管理や制御は外部の事業者に委ねられていることになります。便利さの裏には、セキュリティやプライバシーのリスクも潜んでいます。
例えば、サードパーティースクリプトに悪意のあるスクリプトが含まれていた場合、そのWebサイトを訪れたユーザーが意図せず攻撃を受けるおそれがあります。また、外部に送信されるユーザーの操作情報やアクセス履歴が、どのように扱われているのかを正確に把握することは難しいでしょう。
さらに、最近では「サプライチェーン攻撃」と呼ばれる手口が注目されています。これは、信頼して使っていたスクリプトが、あるとき改ざんされてしまい、そこから情報漏えいやマルウェア感染につながるケースです。Webサイトの運営元が直接攻撃されるわけではなく、連携しているスクリプトの提供元が狙われるため、防ぎにくいという特徴があります。
対策としては、読み込むスクリプトの提供元を厳選することが第一歩です。また、Subresource Integrity(SRI)という仕組みを使えば、スクリプトが改ざんされていないかどうかをブラウザ側で検証できます。CSP(コンテンツセキュリティポリシー)もあわせて活用すると、より安心です。
便利だからといって、無条件で外部スクリプトを取り入れるのは危険です。サードパーティースクリプトは、利便性とリスクを天秤にかけながら、慎重に使っていきたい技術の一つです。
用語解説の監修:増井 敏克