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セキュリティインシデント

作成者: Admin|Sep 26, 2025 1:24:34 AM

英語表記:Security Incident

セキュリティインシデントとは、情報システムやネットワークなどに関する安全を脅かす出来事のことを指します。例えば、ウイルス感染、不正アクセス、情報の漏えい、サービスの停止などが代表的です。

「インシデント」という言葉には、「事故」とまではいえないが放置すると大きな問題につながりかねない“異常な出来事”という意味があります。つまり、重大な被害が出る前に気付き、適切に対応するための「早期の気付き」を含んだ言葉なんですね。

セキュリティインシデントには、いくつかの種類があります。よくある例としては次のようなものです。

  • ウイルスやマルウェアによる感染
  • 外部からの不正アクセスや侵入の試み
  • 内部の人による誤送信や誤操作
  • サーバーやサービスの停止
  • 個人情報や機密データの漏えい

また、サイバー攻撃だけでなく、USBメモリーの紛失や紙の書類の置き忘れなどもインシデントに含まれます。「情報資産に関わるすべてのトラブル」が対象になることがポイントです。

インシデントが起きたときは、できるだけ早く事実を把握し、被害の拡大を防ぐことが最優先です。そのために多くの企業では、「インシデント対応手順」や「報告フロー」をあらかじめ定めています。「誰が、いつ、どこに、どのように、何を報告するのか」を明確にしておくことで、緊急時にも慌てず動けるようになります。

さらに、発生後には「なぜ起きたのか」「再発をどう防ぐか」といった振り返りも重要です。インシデントを単なる“トラブル”で終わらせず、そこから学びと改善につなげることが、組織のセキュリティを高度化する第一歩ではないでしょうか。

セキュリティは、万全を期していても“ゼロリスク”とはいきません。だからこそ、インシデントにどう向き合い、どう乗り越えるか。その備えが、組織の信頼を守る鍵になるのだと思います。

用語解説の監修:増井 敏克