英語表記:Security Patch
セキュリティパッチとは、ソフトウェアやOSに見つかった脆弱性を修正するための更新プログラムのことです。脆弱性は、攻撃者に悪用されるおそれのある“穴”や“隙間”のようなものです。放置すると、不正アクセスや情報漏えいにつながる危険があります。
例えば、家の鍵が壊れていると知ったら、すぐに修理しますよね。セキュリティパッチもそれと同じです。開発元が脆弱性を発見したとき、利用者が安全に使い続けられるように更新プログラムを提供します。そして利用者は、できるだけ早くその更新プログラムを適用する必要があります。
セキュリティパッチが重要なのは、更新プログラムが提供されたことを知って攻撃が始まることが多いからです。脆弱性情報が公開されると、悪意のある人がその内容を解析し、攻撃手法をすぐにつくりあげるケースが少なくありません。つまり、パッチを適用するまでの時間が遅れるほどリスクは高まるのです。
更新作業を面倒に感じる方もいるかもしれません。ですが、パッチ適用を後回しにすることで、被害に遭う可能性がぐっと上がってしまいます。大切なのは、定期的に更新情報を確認し、確実にパッチを適用する運用を整えることですね。
企業の場合は、すぐに適用する前に、テスト環境で動作確認を行うこともあります。その場合も、リスクと影響を比べて、迅速に対応する姿勢が求められます。
セキュリティ対策の基本は「脆弱性をつくらないこと」ですが、すべてを完全に防ぐのは難しいものです。だからこそ、パッチを早めに適用して、攻撃のチャンスを減らすことが重要ではないでしょうか。
用語解説の監修:増井 敏克