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ネットワークセグメンテーション

作成者: Admin|Feb 6, 2026 5:59:40 AM

英語表記:Network Segmentation

ネットワークセグメンテーションとは、システムやネットワークを用途ごとに分けて、通信の範囲や経路を制御することで安全性を高める手法です。「ネットワーク分離」とも呼ばれます。


会社のネットワークを例にしてみましょう。業務用のパソコン、開発環境、来客用のWi-Fi――これらが同じネットワーク上にあると、一カ所で発生した問題が全体に広がってしまうおそれがあります。ネットワークセグメンテーションは、それぞれを別の“区画”に分けて管理することで、被害の広がりを防ぐ考え方です。建物に例えると、防火扉を設けてフロアごとに区切るようなものですね。


セキュリティの観点では、このネットワークセグメンテーションのしくみが非常に重要です。例えば、インターネットに接続するエリアと、個人情報を扱うエリアを分ける。管理者用のネットワークと一般社員のネットワークを分ける。このように、情報の「重要度」や「アクセス権限」に応じて分離を行います。一部の組織では、インターネット接続を完全に遮断した「物理分離」も採用されています。


近年では、クラウドやリモートワークの普及により、ネットワークの境界があいまいになっています。そこで注目されているのが、仮想的な分離(論理分離)です。たとえば、VLAN(仮想LAN)やSDN(ソフトウェア制御型ネットワーク)を使って、通信経路をソフトウェア的に分ける方法があります。これにより、柔軟性を保ちながらも、不要な通信を防ぐことができます。


ただし、分離しただけで安心というわけではありません。許可されていない経路が残っていたり、設定ミスがあったりすると、意図せず情報が行き来してしまうこともあります。定期的なアクセス制御の見直しや、通信ログの監視も欠かせませんね。


ネットワークセグメンテーションは、システム全体の“安全設計”の要ともいえる考え方です。一度トラブルが起きても全体に影響が及ばない。そんな「強いネットワーク」をつくるための基本ではないでしょうか。

用語解説の監修:増井 敏克