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脆弱性管理

作成者: Admin|Sep 26, 2025 1:25:23 AM

読み方:ぜいじゃくせいかんり

英語表記:Vulnerability Management

脆弱性管理とは、システムやソフトウェアに存在する弱点(脆弱性)を見つけて、優先順位をつけ、対応策を実施し、再確認を行うまでの一連の取り組みです。単なる発見だけで終わらず、継続的な改善サイクルをまわしていくことが特徴です。

例えば、広い敷地の中にいくつか壊れた柵があったとしましょう。それを見つけて修理するだけではなく、「どこが最も危ないか」「いつまでに直すべきか」「ちゃんと直ったか」を常に見直しながら維持していく。そんなイメージに近いかもしれません。

脆弱性を管理するうえでの最初の一歩は、「見える化」です。OSやミドルウェア、Webアプリケーションなど、どこに脆弱性があるのかを把握しないことには、手の打ちようがありません。そこで活躍するのが脆弱性診断や脆弱性スキャンといった仕組みです。

ただし、すべての脆弱性にすぐ取り掛かるのは現実的ではありません。限られた人員や時間の中で、どの問題から着手するべきか。ここで鍵になるのが「リスクベース」の考え方です。影響が大きいもの、攻撃されやすいものを優先して対応することが、現実的な脆弱性管理のコツだといえるでしょう。

また、対応が終わっても安心はできません。パッチが適用されたか、設定が正しく変わったか、後から検証する作業も不可欠です。こうしたプロセスを繰り返すことで、セキュリティの成熟度は少しずつ高まります。

最近では、ソフトウェアの複雑化や利用範囲の拡大により、脆弱性も次々に見つかっています。対応にもスピードが求められる時代だからこそ、「発見」「評価」「対応」「再確認」のサイクルをしっかりつくり、運用できる体制を持つことが大切なのではないでしょうか。

用語解説の監修:増井 敏克