マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)
英語の正式名称:Managed Security Service Provider
マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)は、企業や団体が行うセキュリティ対策を、外部の専門会社として運用・管理するサービス提供者のことです。
自社で監視や分析を行う代わりに、MSSPに委託することで、24時間365日のセキュリティ監視や迅速な対応が可能になります。
例えば、自社のネットワークやシステムを常に監視する「SOC(セキュリティオペレーションセンター)」をゼロから構築し、専門スタッフを雇うのは大きな負担です。MSSPを利用すれば、その機能や人材をサービスとして活用できます。結果として、専門知識を持たない企業でも、高度なセキュリティ水準を維持しやすくなるのです。
MSSPが提供する内容は幅広くあります。代表的なのは、不審な通信や攻撃の兆候を検知する監視サービス、脆弱性情報の収集と対応支援、インシデントが発生した際の分析と復旧サポートです。また、ファイアウォールや侵入検知システム(IDS/IPS)、エンドポイント保護の設定やチューニングも含まれることがあります。
メリットの一つは、セキュリティの専門家が最新の脅威動向を踏まえて対応してくれることです。攻撃手口は日々進化しており、数カ月前まで有効だった対策が今では通用しないことも珍しくありません。MSSPは複数の顧客環境を日々見ているため、広範な知見をもとに早期の対策を打てます。
一方で、委託するからといって「任せきり」にしてしまうのは危険です。MSSPはあくまで支援者であり、最終的な判断や社内ルールの策定は利用企業が担います。自社のビジネスやシステム特性を理解しているのは社内の人間だからです。MSSPと密に連携し、情報共有や方針決定を行うことが成功の鍵になります。
セキュリティ人材の不足や運用負荷の増加が課題となる中、MSSPは強力な選択肢です。ただし、導入時にはサービス範囲や責任分担、対応スピードなどを明確にし、自社の求めるレベルと合致しているかを確認しましょう。適切に活用できれば、限られたリソースで高いセキュリティ体制を実現できるようになります。
用語解説の監修:増井 敏克