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ロールベースアクセス制御(RBAC)
ロールベースアクセス制御(RBAC)
英語の正式名称:Role-Based Access Control
ロールベースアクセス制御(RBAC)は、「役割(ロール)」に応じてアクセスできる範囲を決めるしくみです。組織内の情報や機能に対して、誰が何にアクセスできるのかを明確にする方法の一つです。
例えば、営業部の社員には営業用のデータだけ、経理部には会計処理のシステムだけ、というように、業務に必要な範囲だけアクセス権を与えるのが基本です。「誰が何をできるか」を、個人ごとではなく「役割」に紐付けて決めることで、管理がぐっと楽になります。
この考え方のメリットは、組織の人数が多くなっても混乱しにくいこと。例えば新しい人が入ってきたとき、その人が属するロール(部署や担当業務)を設定するだけで、必要なアクセス権限が自動的に付与されます。反対に異動や退職の際も、ロールを変更または削除するだけで管理できます。
RBACをうまく運用するには、ロールの設計がとても大切です。ロールが多すぎたり、曖昧だったりすると、どこに何を許可したか分からなくなってしまいます。組織の業務フローに合わせて、「誰が」「何を」「どこまで」扱うのかを丁寧に整理して設計することが成功のカギです。
また、RBACは「最小権限の原則」とも相性がよいしくみです。必要以上の権限を与えないことで、万が一アカウント情報が漏れてしまっても被害を最小限に抑えられます。
適切なアクセス制御は、セキュリティ対策の基本中の基本。RBACは、その設計と運用において、分かりやすさと効率の両立を目指す有力な手法といえるのではないでしょうか。
用語解説の監修:増井 敏克