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属性ベースアクセス制御(ABAC)

作成者: Admin|Feb 6, 2026 5:34:35 AM

読み方:エービーエーシー

英語の正式名称:Attribute-Based Access Control

属性ベースアクセス制御(ABAC)とは、利用者やリソース、環境などの「属性(アトリビュート)」をもとにアクセスを制御するしくみのことです。「誰が、どの情報に、どんな状況でアクセスできるのか」を、属性の組み合わせによって柔軟に判断します。アクセス制御の考え方の中でも、より細かく、利用者の状況に応じた制御を実現できるのが特徴です。


従来の代表的な方式であるロールベースアクセス制御(RBAC)では、役職や職務、所属部署などの「役割(ロール)」単位でアクセス権を管理します。例えば「経理部の社員は請求書データにアクセスできる」といったルールです。


一方、属性ベースアクセス制御(ABAC)では「経理部の社員」だけでなく、「社内ネットワークからアクセスしている」「勤務時間内である」といった条件も加えて制御します。つまり、ユーザー属性(所属部署や役職)に加え、リソース属性(ファイルの分類)、環境属性(場所や時刻)、操作属性(閲覧・編集など)など、複数の要素を組み合わせてアクセスを判断するのです。


この柔軟さにより、属性ベースアクセス制御はゼロトラストの考え方とも相性がよいとされています。境界防御に頼らず、アクセスのたびに条件を評価することで、より安全な運用が可能になります。特にクラウド環境やリモートワークが一般化した現在では、「誰がどこからアクセスするか」を動的に制御できるしくみが求められています。


ただし、属性ベースアクセス制御を導入するにはルール設計が複雑になる点にも注意が必要です。属性が増えるほど、どの組み合わせで許可・拒否するかを明確に定義する必要があります。そのため、まずは業務上のアクセス要件を整理し、重要なデータや操作から段階的に適用していくのが現実的ですね。


属性ベースアクセス制御は、単なる技術的なしくみではなく、「適切な人が、適切なときに、適切な方法でアクセスできるようにする」ための考え方そのものです。柔軟で精密なアクセス制御を実現したい企業にとって、これからますます重要なキーワードになるでしょう。

用語解説の監修:増井 敏克